飲み会
- 菱田伊駒
- 2018年6月20日
- 読了時間: 2分
友人のHと居酒屋に行った。友人と会って話すのは楽しいものだと改めて思った。そういえば、ここしばらく友だちと会って話すということがなかった。入った居酒屋では、ワールドカップが放送されていた。ドリンクをそれぞれ1杯と焼きめしとチヂミを頼んだ。ぼくはウーロン茶を、Hはトマトチューハイを選んだ。
自分はよく喋るなと思いながら話していた。話すときに、これは分かってくれてるだろうという前提を確認もせずに話していた。話しすぎだと自分でも思いながらずっと話していた。
ある程度話し終えると、Hの近況を色々と聞く。ただそれは、Hと会っていない間に起こった、自分の知らない情報を漏らさず埋めていくような感じの聞き方であまり良い聞き方ではないと思いながら聞いていた。質問に質問を重ねていって、自分が納得したら終わり、というような自分勝手な聞き方だなと思いながら質問をしていた。
質問の内容は、自分の聞きたいことを次々と聞いていて、それは話したいことを次々と話している時とあまり変わらない。結局、自分はどうしようもなく話したいことばかりだったのだと思う。
Hは、特に嫌な顔をすることもなくぼくの話を聞いていた。いつも彼はそんな感じで、嫌な顔をするということがない。聞き上手とかそういうことでもなく、話したい時に話し、聞きたければ聞く、というような、その時々に合わせて形を変えていく柔らかさを持っている。
「いつも変わらないですね」
と何度もHは言った。会ってすぐに話した時、居酒屋で話している時、帰り道を歩いている時。Hにとっては安心にも似た感情なのだと言われた。同じことの繰り返しが嫌いで、変化を好むHがそういうことを言うのは不思議だと思った。
変わらないってどういうことなんだろうか。p4cと出会って、自分の話し方とか聞き方とかが変わってきたと思っている。それが良い方向に向かっていると信じたいと思いながら過ごしている。だから、変わらないと言われると不安になる。でも、Hにそう言われると悪い気はしない。矛盾しているようだけど、変わりたいけど変わりたくない、と思っている自分がいるのかもしれない。
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